義理の両親と永平寺にお参りしようという話が出たとき、正直ちょっと悩みました。座禅体験も精進料理も魅力的なのですが、両親は温泉が好きで、できれば客室でゆっくりお湯に浸かれる宿がいい。そう考えて「永平寺 半露天風呂付き客室」で調べ始めたのですが、これがなかなか出てこないんですよね。

気になって調べてみたんですが、永平寺の門前には老舗の宿坊や和風旅館はあっても、客室に温泉の半露天風呂が付いている宿となると、驚くほど選択肢が絞られます。少し足を延ばせばあわら温泉のように半露天風呂付き客室が充実したエリアもあるのですが、調べてみると永平寺からは車で35km前後離れていて、日帰り参拝とセットにするには少し距離がある。そんな中で口コミと公式サイトを読み込んで行き着いたのが、2024年11月に開業した歓宿縁ESHIKOTOという一軒でした。

この記事では、なぜ永平寺周辺で半露天風呂付き客室の選択肢が限られるのかという事情から、実際にたどり着いたESHIKOTOの客室タイプ、食事、記念日利用への向き不向きまで、順番に紹介していきます。同じように「永平寺で半露天風呂付き客室、本当にあるの」と半信半疑で調べている人の参考になればうれしいです。なお、料金やプラン内容は2026年7月時点の情報をもとにしていますので、予約の際は最新情報を公式サイトや楽天トラベルでご確認ください。

永平寺で「半露天風呂付き客室」を探すと、選択肢が絞られる理由

結論から言うと、永平寺町内、あるいはそこから車で30分ほどの範囲で「客室に半露天風呂がある宿」を条件にすると、対象になる宿はかなり少なくなります。理由を調べていくうちに、いくつか納得できる背景が見えてきました。

永平寺町は景観保存エリアで大型温泉旅館が少ない

永平寺の門前町は、曹洞宗大本山としての厳かな雰囲気を守るためか、大きな温泉旅館やリゾートホテルが立ち並ぶような開発があまり進んでいません。老舗の和風旅館や、座禅体験を軸にした宿坊スタイルの宿が中心で、客室設備よりも精進料理や修行体験に重きを置いた宿が目立ちます。正直、これは想像していた以上でした。有名な観光地だからきっと選択肢も多いだろうと思っていたのですが、実際に調べてみると「温泉」そのものが門前町の売りではないということに気づかされます。

永平寺自体に温泉が湧いているわけではなく、周辺で温泉を楽しむには、少し車を走らせて別の温泉地まで移動する必要があります。この立地条件が、そのまま「客室に半露天風呂」というぜいたくな設備を持つ宿の少なさにつながっているようです。参拝と精進料理を目的にするなら門前町の宿で十分ですが、そこに温泉の心地よさまで求めるなら、もう少し広い視野で探す必要があるとわかりました。

あわら温泉は魅力的だが車で約35.8km、30km圏の外

福井県で半露天風呂付き客室といえば、まず名前が挙がるのがあわら温泉です。調べてみると、全室に源泉かけ流しの半露天風呂を備えた宿や、ミシュランキーに選ばれた老舗旅館など、確かに魅力的な宿がそろっています。ただ、実際に永平寺からの距離を調べてみると、車で約35.8kmという結果が出てきました。これは正直、日帰り参拝の帰りに立ち寄るにはやや距離があります。

渋滞がなければ小一時間ほどの移動ですが、参拝で歩き疲れたあとに40分近く車に乗るとなると、両親の体力を考えると少し気になるところです。あわら温泉自体は素晴らしい温泉地なので、永平寺とあわら温泉を両方の目的地として旅程を組むなら十分選択肢に入ると思います。ただ今回は「永平寺参拝とセットで無理なく行ける半露天風呂付き客室」という条件で絞り込んだため、この記事では対象から外すことにしました。

探し尽くしてたどり着いた一軒、歓宿縁ESHIKOTO

あわら温泉を条件外にしたうえで、永平寺町内やその近辺をさらに探していくと、2024年11月に開業したばかりの歓宿縁ESHIKOTOという宿にたどり着きました。永平寺町下浄法寺という、まさに永平寺のお膝元に位置していて、全8棟の客室すべてに温泉の半露天風呂が付いているというのです。これを見つけたときは、正直「え、こんな条件にぴったりの宿が本当にあったんだ」と声が出そうになりました。

口コミの件数はまだ多くありませんが、楽天トラベルでの評価は4.50と高水準です。開業から日が浅いぶん情報が少ないのは事実ですが、逆に言えばまだあまり知られていない穴場ともいえます。次の章から、この宿の客室や食事について、詳しく見ていきます。

8棟3タイプ、JOU・RYU・ZENで何が違うのか

ESHIKOTOの客室は全部で8棟、3つのタイプに分かれています。同じ宿の中でも立地や広さがかなり違うので、予約前にタイプごとの特徴を知っておくと選びやすいと思います。

川に一番近いJOU、水田を望む3棟

JOUは全8棟のうち3棟が該当するタイプで、宿の中でも九頭竜川に最も近い位置にあります。眼前に水田が広がる眺めが特徴で、季節ごとに表情を変える田園風景を客室から眺められるのが魅力です。個人的には、この立地の近さが一番気になっています。福井の原風景ともいえる水田と川のせせらぎを間近に感じながら半露天風呂に浸かる時間は、都会ではまず味わえない贅沢だと思います。

口コミを読んでいると、朝の光が水田に反射する様子や、夕暮れどきの静けさを評価する声が見られました。永平寺参拝で朝早く行動する予定がある人にとっては、朝の光景を部屋から楽しめるこのタイプが特に相性が良さそうです。

中腹の畳の間、RYUの落ち着き

RYUも3棟で構成されるタイプで、敷地の中腹に位置しています。畳の間を備えているのが特徴で、JOUよりも一段落ち着いた雰囲気があるようです。正直、私自身は畳の間があるかどうかで宿選びの印象がかなり変わるタイプなので、この点は見逃せないポイントだと感じました。座って過ごす時間が長くなる旅館滞在では、畳の間があるだけで体の力が抜けるような安心感があります。

中腹という立地は、川からの眺めをやや控えめにする代わりに、周囲の緑に包まれるような静けさをもたらしてくれるようです。にぎやかな景色より、落ち着いた環境でゆっくり過ごしたいという人には、このRYUのタイプが向いていると思います。両親との旅行を考えている身としては、正座に慣れた世代にはこの畳の間がうれしいポイントになりそうです。

最も広いZEN、坪庭付きの2棟

ZENは8棟の中でも2棟のみという最も希少なタイプで、面積も一番広く設計されています。坪庭と畳のリビングを備えているのが特徴で、部屋の中に小さな庭を持つという贅沢な造りです。記念日や特別な機会に選ぶなら、このZENが一番ふさわしいのではないかと個人的には思っています。

坪庭を眺めながら過ごすリビング空間があるというのは、単に寝室と浴室があるだけの客室とはまったく違う時間の流れ方をもたらしてくれるはずです。坪庭を眺めながら過ごすリビング空間の魅力について、黒川温泉の数寄屋造り旅館も、和の設えと庭園を活かした同様の体験を提供しており、客室選びの参考になります。2棟しかない分、記念日シーズンや週末は早めに埋まりやすいと想像されるので、日程が決まったら早めに空室状況を確認しておくと安心です。

全室に温泉半露天風呂。戸とスリットで変わる過ごし方

ESHIKOTOの最大の特徴は、やはり全室に温泉半露天風呂が完備されていることです。しかも戸とスリットの開け閉めによって、開放感とプライベート感を自分の好きなように調整できるという造りになっています。

プライベート感を高めたいときの使い方

戸をしっかり閉めれば、外からの視線を気にせず、周囲に気を遣うことなく湯あみできる空間になるようです。夜遅くや早朝など、人目を気にせずゆっくり浸かりたい時間帯には、この閉じた状態が心強いと思います。両親との旅行では、こうしたプライベート感が確保できるかどうかは正直かなり重要なポイントです。誰かと共有する大浴場ではなく、自分たちのペースで何度でも湯に浸かれるというのは、旅館ならではの贅沢だと改めて感じます。

開放感を楽しみたいときの使い方

逆にスリットを開ければ、外の空気や光を取り込みながら、半露天風呂らしい開放感を味わえるようです。九頭竜川沿いの空気を感じながら湯に浸かる時間は、完全な露天風呂とはまた違う、ほどよい距離感の心地よさがあるのではないかと想像しています。天候や時間帯に合わせて開け閉めを調整できるという柔軟さは、四季を通じて泊まりたくなる要素のひとつだと思います。

温泉の泉質と湯あみのしかた

公式情報によると、館内の温泉は宿泊客がゆったりと過ごせるよう工夫されているとのことですが、細かい泉質の分析データまではまだ広く公開されていないようです。この点は正直、もう少し情報が増えてほしいところではあります。ただ、開業から日が浅い宿だからこそ、これから口コミや情報が蓄積されていく途中の段階だと捉えることもできます。気になる場合は、予約前に公式サイトや宿へ直接問い合わせて確認しておくと安心です。

湯あみのタイミングも、客室に温泉があるからこそ自由に選べます。参拝で歩き疲れた夕方にまず一度浸かって汗を流し、会席料理を味わったあとにもう一度、そして寝る前にもう一度。大浴場のように営業時間を気にする必要がないので、自分たちの旅のリズムに合わせて何度でも湯あみできるのは、客室露天ならではの良さだと感じます。両親との旅行を考えると、夜中にふと目が覚めたときにも気兼ねなく湯に浸かれるという安心感は、想像以上に大きい気がしています。

日本料理「えん」かフレンチ「cadre」か、朝食acoyaまで

ESHIKOTOのもうひとつの魅力は、食事のスタイルを選べることです。館内には日本料理のレストラン「えん」と、フレンチレストラン「cadre」があり、宿泊プランによってどちらかを選択できるようになっています。

テロワール発想の会席「えん」

「えん」は、テロワールという発想を軸にした会席料理を提供しています。テロワールとはもともとワインの世界で使われる言葉で、その土地の気候や風土が食材の個性に表れるという考え方です。越前の海の幸、九頭竜川で獲れる川の幸、そして周辺の山の幸を組み合わせた献立は、まさに永平寺周辺という土地そのものを味わうような構成になっているようです。個人的には、この土地の恵みを丁寧にたどるような会席のスタイルに強く惹かれています。

会席料理を個室や部屋でゆっくり味わえるかどうかは、プランによって異なるようなので、記念日利用を考えている場合は予約時に確認しておくとよさそうです。

復活したフレンチ「cadre」

「cadre」は、2023年に一度閉店した店舗が、このESHIKOTOで新たに復活したフレンチレストランだそうです。和の要素が強い宿の中に本格的なフレンチが用意されているというのは、意外な組み合わせに思えるかもしれません。ただ、福井の食材とフレンチの技法を掛け合わせるという発想は、越前焼や越前塗といった土地の工芸をアートとして館内に取り入れているESHIKOTOのコンセプトとも通じるものがあると感じます。和食の気分ではない日や、洋食が好きな家族との旅行には、こちらの選択肢がうれしいはずです。

土鍋で炊くコシヒカリの朝食

朝食は「Apero & Patisserie acoya」という場所で提供されるようで、フレンチの影響を受けた和朝食というスタイルになっているそうです。福井県産のコシヒカリを土鍋で炊くという情報を見つけたとき、正直かなり期待が高まりました。炊きたてのご飯を土鍋のまま食卓に運んでもらえるというのは、旅館の朝食ならではの贅沢だと思います。前日の会席やフレンチの余韻を残しながら、朝はやわらかい和の朝食で締めくくるという流れも、この宿らしい過ごし方のひとつだと感じます。

記念日・親孝行・自分へのご褒美、どのシーンに向くか

ここまで客室と食事を紹介してきましたが、実際にどんな目的でこの宿を選ぶといいのか、シーン別に整理してみます。

記念日利用と永平寺参拝の組み合わせ方

結婚記念日や誕生日に、永平寺参拝という特別な体験とセットで宿を選びたいなら、坪庭付きのZENタイプが候補になると思います。日中は永平寺で座禅や参拝を体験し、夕方からはESHIKOTOの半露天風呂と会席でゆっくり過ごす。精神的な静けさと、身体的なくつろぎの両方を一日の中で味わえるという意味で、なかなか贅沢な組み合わせだと感じます。事前にケーキやサプライズの相談ができるかどうかは、予約時に問い合わせておくと確実です。

両親への贈り物として選ぶときの視点

両親への贈り物として考えるなら、畳の間があるRYUタイプが安心材料になりそうです。正座に慣れた世代にとって、洋室よりも和の空間のほうが落ち着けることが多いと思います。また、客室に半露天風呂があることで、大浴場まで移動する必要がなく、足腰への負担を抑えられるのも親孝行旅行には嬉しいポイントです。永平寺参拝と精進料理を楽しみにしている両親であれば、参拝後にそのまま近い距離で宿にたどり着けるという立地の良さも、疲れを最小限にする意味で心強いはずです。

一人旅・夫婦での静かな過ごし方

誰かに気を遣わず、自分のペースで過ごしたいという一人旅や、夫婦二人だけの休日にも、この宿は向いていると思います。夫婦での静かな過ごし方を重視するなら、同じく客室の湯あみを大切にする銀山温泉で二人旅にふさわしい高級旅館も、参考になるかもしれません。全8棟という小規模な宿だからこそ、大人数の宿泊客と鉢合わせすることも少なく、静かな時間を確保しやすいはずです。個人的には、こういう「誰にも予定を合わせなくていい旅」の価値は、忙しい日々を過ごしている人ほど実感しやすいのではないかと感じています。

永平寺の座禅体験で心を落ち着けたあと、宿では何も予定を入れず、坪庭を眺めながらぼんやり過ごす。そんな一日の締めくくり方は、ふだん予定に追われている人ほど恋しくなるのではないかと思います。夫婦であれば、会話をするもよし、それぞれ黙って庭を眺めるもよし。誰かに合わせる必要がない時間だからこそ、素の自分に戻れる気がします。

アクセス・料金の目安・予約のコツ

最後に、実際に予約を検討する際に気になるアクセスと料金、よくある疑問についてまとめておきます。

永平寺参道ICと福井駅からのアクセス

ESHIKOTOへは、中部縦貫自動車道の永平寺参道ICから車で約10分というアクセスの良さです。車を運転しない場合は、JR福井駅から車で約27分というのが目安になります。永平寺への参拝とセットで訪れるなら、車での移動が現実的な選択肢になりそうです。公共交通機関のみで向かう場合は、送迎の有無について事前に宿へ確認しておくと安心です。楽天トラベルのアクセスページでも、最新の交通手段を確認できます。

料金帯とプラン選びのヒント

料金は2名1泊合計で103,200円から346,800円程度と、かなり幅があります。基本的には1名1泊2食付きで7万円からという価格帯で、客室タイプやレストランの選択、季節によって変動するようです。正直、決して安い金額ではありませんが、全室に温泉半露天風呂が付いていること、テロワール発想の会席かフレンチを選べること、そして永平寺という特別な立地を考えると、記念日や親孝行など特別な機会には納得のいく金額だと個人的には感じています。2026年7月時点の情報のため、最新の料金やプラン内容は必ず公式サイトや楽天トラベルでご確認ください。

よくある質問

Q. 半露天風呂には何度でも入れますか。客室に備え付けの温泉のため、チェックインからチェックアウトまで、基本的には好きな時間に何度でも利用できると考えられます。ただし清掃やメンテナンスのタイミングもあるため、詳細は予約時に確認しておくと安心です。

Q. 子供連れでも利用できますか。全8棟という小規模な宿で、大人の落ち着いた時間を重視したコンセプトのため、子供の受け入れ可否や年齢制限についてはプランによって異なる可能性があります。家族旅行を考えている場合は、事前に宿へ直接問い合わせるのが確実です。

Q. 永平寺の参拝時間と合わせやすいですか。永平寺参道ICから車で約10分という近さなので、日中に参拝を済ませてから余裕を持ってチェックインする、という組み立てがしやすいはずです。永平寺の拝観時間は季節によって変動するため、訪問前に公式情報を確認しておくとスムーズです。

永平寺のそばで、半露天風呂とともに過ごす特別な一夜を

永平寺で半露天風呂付き客室のある宿を探し尽くした結果、たどり着いたのは歓宿縁ESHIKOTOという一軒でした。あわら温泉のような選択肢豊富なエリアからは少し外れますが、永平寺のお膝元という立地と、全室に備わった温泉半露天風呂、そしてテロワール発想の会席やフレンチという食事の魅力は、他の宿では代えがたいものだと感じています。

正直、探し始めたときは「永平寺周辺にそんな都合のいい宿があるのだろうか」と半信半疑でした。それでも調べを進めるうちに、この一軒に行き着いたという過程そのものが、この宿の価値を裏付けているようにも思います。義理の両親との旅も、この宿を軸に計画してみようと考えています。