「下呂温泉の宿って、どこも同じような和風旅館に見えるんだよね」って思ったこと、ありませんか。

正直、私も最初はそうでした。以前、雑誌か何かで数寄屋造りの宿の写真を見て、木の柱や障子越しの光、庭の緑が部屋の中まで続いているような静けさにすっかり惹かれてしまったんです。それ以来、「和の設え」という言葉に妙に反応するようになりました。来年の結婚10周年をどこで過ごそうか考えているうちに、下呂温泉にも同じような佇まいの宿はないのかと調べ始めたんです。

気になって調べてみたんですが、下呂温泉には数多くの宿があるのに、公式の宿一覧には「意匠」でカテゴリ分けする仕組みがまったくないんですよね。写真だけを眺めていても、どこが数寄屋の美意識に近いのか、なかなか判断がつきませんでした。

この記事では、まず「数寄屋造り」とはそもそもどんな建築なのかを、専門用語だけで終わらせずに整理します。そのうえで、下呂温泉の中で庭園や離れ、木立に囲まれた古格など、その美意識に通じる佇まいを持つ老舗旅館5軒を、意匠と過ごし方の両面から比較していきます。記念日やご褒美旅にふさわしい一軒を選ぶための、静かな判断材料になればうれしいです😊

そもそも「数寄屋造り」ってどんな建築? 茶室から生まれた"静けさ"の正体

数寄屋造りとは、もともと茶室の思想を住まいに取り入れた建築様式のことです。武家の格式を重んじる書院造に対して、身分を問わず客をもてなす茶の湯の精神から生まれたのが数寄屋造りだと言われています。

書院造の座敷を思い浮かべると、床の間や違い棚、格天井など、装飾性が高くどこか堅苦しい印象がありますよね。一方で数寄屋造りは、それとは逆の方向を向いています。装飾を削ぎ落とし、木や土、紙といった自然素材そのものの質感を生かすことで、静けさそのものを設計しているんです。

具体的にどんな要素があるのか、代表的なものを見ていきます。まず面皮柱。木の丸みをあえて残した柱のことで、角材のように四角く整えず、樹皮に近い自然な曲線を残しています。触れた瞬間に、生きた木そのものの質感が伝わってくる部材です。

長押や欄間も見逃せません。部屋と部屋の境目に施される装飾で、光や風を完全に遮らず、ふんわりと空間をつなぐ役割を持っています。付書院は書院造から受け継がれた要素ですが、数寄屋ではより控えめに、庭を眺めるための小さな窓のように機能することが多いようです。

そして何より特徴的なのが、障子と縁側、借景という考え方です。障子は光を完全に通すのではなく、和紙一枚を通してやわらかく拡散させます。縁側は室内と庭の中間にある曖昧な領域で、そこに座ると庭がぐっと近くなる。借景は、窓の外に見える庭木や山並みを、まるで一枚の絵のように部屋の中に取り込んでしまう工夫のことです。

こうして並べてみると、数寄屋造りというのは単なる「和風の建物」ではなく、木組みと障子と庭園が一体になって「静けさ」そのものを作り出す建築だということが分かります。専門用語を全部覚える必要はありません。ただ、次の章からの宿選びでは「この庭の見え方、数寄屋っぽいな」という感覚を持てるだけで、選ぶ楽しさがぐっと変わってきます。✨

数寄屋造りをひとことで言うなら、茶室の"もてなしの美意識"を住まいに広げた建築様式。書院造の格式に対して、自然素材の質感と庭園との一体感で静けさを設計する点が最大の違いです。

気になる宿名は、この後の章で具体的に紹介していきます。まずは楽天トラベルで下呂温泉全体の雰囲気を眺めてみるのもおすすめです。🌿

数寄屋造りかどうかより大事な、宿を見極める3つの物差し

ここまで数寄屋造りの特徴を見てきましたが、下呂温泉の宿一軒一軒を「これは正式に数寄屋造りです」と厳密に判定するのは、専門家でもない限り難しい話です。むしろ大事なのは、数寄屋の美意識に通じる要素を、自分なりの物差しで感じ取れるかどうかだと思うんですよね。

私が調べていて役に立つと感じたのは、次の3つの物差しです。

一つ目は庭園との一体感。客室や廊下から日本庭園がどう見えるか、窓の外の緑が借景として取り込まれているかどうかです。たとえば約1,100坪の日本庭園を持つ下呂温泉の望川館のような宿は、庭園との一体感を確かめるうえで分かりやすい例になります。飛騨川沿いという立地も相まって、廊下を歩くだけで庭の奥行きが感じられそうだと、公式サイトの説明を読んでいて感じました。

二つ目は自然素材の質感です。木の丸みを残した柱や、障子越しにやわらかく差し込む光、素足で歩いたときの畳や板の間の感触。写真では伝わりにくい部分ですが、公式サイトの客室紹介の文章に「木のぬくもり」「純和風」といった言葉が使われているかどうかは、一つの手がかりになります。

三つ目は静けさです。部屋数や動線が落ち着いているか、離れや部屋食といった、他の宿泊客の気配を感じにくい設えがあるかどうか。数寄屋造りの本質が「静けさの設計」にあるとすれば、この物差しが一番分かりやすいかもしれません。♨️

たとえば口コミサイトなどで「離れで静かに過ごせた」「庭を眺めながら朝食をとれた」といった声を見かけたら、それはまさにこの3つの物差しに合致する表現だと思って良さそうです。逆に「立地が良い」「大浴場が広い」といった評価だけが並んでいる宿は、意匠面よりも利便性を重視したタイプの宿である可能性が高く、この記事の切り口とはやや方向性が違うかもしれません。

宿を見極める3つの物差し 庭園との一体感、自然素材の質感、静けさ。この3つを感じられるかどうかで選ぶと、名前だけの「和風旅館」と、本当に数寄屋の美意識に通じる宿との違いが見えてきます。

mindmap

root((数寄屋の美意識を感じる3つの物差し))

庭園との一体感

客室や廊下からの庭の見え方

借景として緑を取り込んでいるか

自然素材の質感

面皮柱や木の丸みの有無

障子越しのやわらかな光

木のぬくもりという言葉の有無

静けさ

部屋数や動線の落ち着き

離れや部屋食の有無

他の宿泊客の気配の少なさ

数寄屋造りかどうかを厳密に判定するのは難しくても、この3つの物差しを頭に入れておくだけで、写真や公式サイトの文章から「この宿は近いかもしれない」という感覚がつかめるようになります。次の章で紹介する5軒も、この物差しに沿って見ていきます。

個人的には、この3つの物差しさえ持っていれば、専門用語を知らなくても宿選びで失敗しにくくなると思います。次の章では、この物差しを実際に下呂温泉の宿に当てはめながら、5軒を具体的に紹介していきます。

下呂温泉で、数寄屋の美意識に通じる老舗旅館5軒

下呂温泉は、草津・有馬と並んで日本三名泉のひとつに数えられる温泉地です。飛騨川沿いに広がるこのエリアには、下呂温泉旅館協同組合に名を連ねる宿だけでも数十軒があり、規模も歴史も客室の構成もそれぞれに違います。今回は、その中から公式サイトの説明文で庭園、離れ、木立、部屋食といった要素が具体的に確認できた老舗旅館5軒に絞り込みました。裏を返せば、雰囲気の良さそうな写真だけでは判断できず、公式情報として裏付けが取れなかった宿は、今回はあえて対象から外しています。数寄屋の美意識という切り口で選ぶからこそ、根拠のあいまいな宿を並べたくなかったんですよね。

ここから紹介する5軒は、正式に「数寄屋造り」を名乗っているわけではありません。ただ、庭園や離れ、木立に囲まれた立地、部屋食といった要素で、数寄屋造りの美意識に通じる佇まいを持つ老舗旅館だと感じています。この点は最初にお伝えしておきます。

比較の視点としては、庭園の有無、離れの有無、部屋食の有無、客室露天風呂の有無、そして創業や特徴という5つの軸で見ていきます。下の表で「明記なし」となっている項目は、公式サイトの説明文の中にその要素についての言及が見当たらなかったという意味で、設備自体が絶対にないと断定しているわけではありません。気になる項目がある宿については、必ず公式ページや楽天トラベルの客室詳細で確認してみてください。

宿名 庭園 離れ 部屋食 客室露天風呂 特徴
湯之島館 木立に囲まれた敷地 明記なし 明記なし 明記なし 昭和6年創業、登録有形文化財、敷地5万坪
望川館 約1,100坪の日本庭園 明記なし 明記なし 明記なし 飛騨川沿い、庭園との一体感
川上屋花水亭 純和風の設え あり 明記なし あり 木のぬくもり、隠れ家的な佇まい
山形屋 明記なし あり あり 明記なし 江戸時代から続く老舗
小川屋 明記なし 明記なし 明記なし 明記なし 東海最大級100帖の畳風呂、朝食2年連続日本一

早速、一軒ずつ紹介していきます。それぞれ、庭園との一体感、自然素材の質感、静けさという3つの物差しのうち、どこが強いのかを意識しながら読んでみてください。

湯之島館 5万坪の木立に佇む、登録有形文化財の"古格"

最初に紹介したいのは、下呂温泉湯之島館です。昭和6年、1931年の創業で、建物は登録有形文化財に登録されています。敷地は5万坪という広さで、木立に囲まれた立地にあることが公式情報からも確認できました。

個人的には、この規模の敷地に囲まれた宿というのは、都心で暮らしているとなかなか想像がつきません。木立の中に建つ古い木造建築というだけで、縁側に座って庭を眺めたときの静けさが目に浮かびます。登録有形文化財というと堅苦しく聞こえますが、要するに「時を重ねた木組みが、今も現役の宿として使われている」ということなんですよね。数寄屋造りそのものとは言い切れませんが、木立と古格が生み出す静けさは、数寄屋の美意識にとても近いものがあります。最初の章で紹介した面皮柱や長押、欄間といった細部の意匠までは公式情報だけでは確認できませんが、木の質感をそのまま活かした古格という点で、数寄屋の意匠に通じる空気を感じます。

長い歴史を持つ宿だからこそ、記念日という節目にもふさわしい重みがあります。木造建築は年月とともに朽ちていくものだと思われがちですが、手入れを重ねながら現役で使われ続けている木組みには、新築の建物にはない独特の落ち着きがあるはずです。廊下を歩くだけで、床板のきしみや木の香りが感じられるかもしれません。

5万坪という敷地の広さも、実際に歩いてみないとなかなか実感が湧きません。館内から一歩外に出れば、四季折々の木々に囲まれた散策路があるようで、朝の空気を吸いながら少し歩くだけでも、都会の喧騒を忘れられそうです。記念日の朝を、こうした静かな時間から始められるというのは、なかなか贅沢なことだと思います。🌿

敷地内の散策路をゆっくり歩けば、下呂温泉の温泉街とはまた違う、山あいの静かな空気に包まれるはずです。客室によっては、窓の外に広がる木立がそのまま庭の借景として楽しめるとも言われていて、障子越しの光と重なると、まさに数寄屋の美意識に近い時間が生まれそうです。朝、少し早起きして窓を開け、木々の間を抜ける光を眺めながらお茶を一杯。そんな過ごし方ができるのも、5万坪という広さがあるからこその贅沢だと思います。気になった方は、まず公式ページで館内の雰囲気を確認してみてください。

下呂温泉湯之島館の楽天トラベルページはこちらです。

望川館 約1,100坪の日本庭園と一体になる、静けさの正体

二つ目に紹介するのは望川館です。読み方は「ぼうせんかん」。約1,100坪という広さの日本庭園を持ち、飛騨川沿いという立地が、庭園にさらに奥行きを与えているようです。

公式サイトの説明を読んでいて思ったのは、庭園を望む客室ほど「何時間でも眺めていたくなりそう」だということでした。実際に泊まった感想ではなく、あくまで公式情報や写真から私が感じたことですが、それだけ庭園と客室の距離が近いということなんだと思います。窓の外の緑が借景として取り込まれる感覚は、まさに前の章で紹介した「庭園との一体感」という物差しそのものです。

飛騨川の水音を遠くに聞きながら、1,100坪の庭を眺めて過ごす時間。数寄屋造りと断定はできませんが、その美意識に近い静けさを持つ宿だと思います。

日本庭園というのは、季節ごとに表情を変えるのも魅力の一つです。新緑の時期は青々とした緑が窓いっぱいに広がり、紅葉の時期には庭全体が赤や黄色に染まる。同じ客室から眺めていても、訪れる時期によってまったく違う景色になるはずです。記念日の時期に合わせて、どんな庭の表情に出会えるかを想像しながら計画を立てるのも、この宿ならではの楽しみ方だと思います。🍃

庭園が見える宿というだけで、部屋にいる時間の過ごし方が変わる気がしています。テレビをつけっぱなしにするのではなく、お茶を淹れて縁側のあたりでぼんやり庭を眺める。そんな過ごし方ができる宿は、意外と少ないものです。1,100坪という広さがあるからこそ、どの角度から見ても違う景色が楽しめるはずで、二人で「こっち側から見るとどう見えるかな」と話しながら歩くだけでも、記念日らしい時間になりそうです。

冬になると、庭園の木々は雪化粧をまとい、また違う静けさを見せてくれるはずです。館内の温泉でゆっくり温まったあと、浴衣のまま庭の見える廊下を歩いて、少しだけ夜の庭を眺める時間も、この宿ならではの過ごし方になりそうです。客室のタイプについては公式情報だけでは詳細を確認しきれていませんが、庭園がよく見える部屋を選べるかどうかは、予約時に問い合わせておくと安心です。

望川館の詳しいプラン内容は、下記の楽天トラベルページから確認できます。

川上屋花水亭 離れと純和風の設えが叶える、二人だけの静かな時間

三つ目は川上屋花水亭です。公式情報では「純和風」「木のぬくもり」「隠れ家」といった言葉が使われていて、離れと露天風呂付客室があることが確認できました。

待って、この純和風の離れ、完全に私の好みなんですけど。正直、記念日やご褒美旅を考えたとき、一番心が動いたのはこの宿でした。離れという構成そのものが、他の宿泊客の気配を感じにくい静けさを作り出しますし、露天風呂付客室があれば、湯上がりに誰にも気兼ねなく過ごせる時間も生まれます。全室に備わっているかまでは公式情報から確認できませんでした。それでも、露天風呂付客室があるという事実だけで、二人だけの時間を大切にしたい記念日旅にはぴったりだと思います。♨️

木のぬくもりに包まれた隠れ家のような離れで、静かに向き合う時間。数寄屋造りという言葉がしっくりくる佇まいの一つです。縁側から庭を眺めるような、障子越しの光と自然素材の質感を大切にする設え自体が、離れという構成とも相性がいいのだと思います。

離れという構成には、もう一つ良いところがあると思っています。館内を移動する時間そのものが特別になることです。ロビーから客室まで、廊下や中庭を通って歩く道のりが、まるで日常から少しずつ切り離されていくような感覚を生んでくれるはずです。到着してすぐに部屋に閉じこもるのではなく、その道のりも含めて記念日の時間として味わえるのが、離れを持つ宿の贅沢だと感じます。💕

車で下呂へ向かう場合、無料の駐車場が15台分用意されていることも公式情報で確認できました。予約不要で利用できるとされているので、電車よりも車での記念日旅を考えている人にとっては、地味ながら安心材料になりそうです。離れという構成にこだわる宿だからこそ、こうした細やかな配慮も行き届いているのだろうと感じます。

川上屋花水亭のポイント

純和風の離れと露天風呂付客室。二人だけの静けさを重視するなら、まず確認したい宿です。

下呂温泉川上屋花水亭の楽天トラベルページはこちらです。

山形屋 江戸時代から続く宿の、部屋食でゆっくり味わう会席

四つ目は山形屋です。江戸時代から続くという長い歴史を持つ老舗で、離れと部屋食という設えがあることが確認できました。

調べてみて意外だったのが、数寄屋の美意識に通じる宿ほど、部屋食や個室での食事にもこだわっている傾向があったことです。周りの目を気にせず、自分たちのペースで会席をゆっくり味わえる時間は、建築の静けさと同じくらい大切な価値だと思います。老舗という重みと、部屋食というプライベート感が両立している宿は、実はそう多くありません。

見た目の品格だけでなく、料理の満足度も伴っているかという不安に対して、山形屋は一つの答えを持っている宿だと思います。

会席料理というのは、一皿ずつ運ばれてくるタイミングも味わいのうちです。大広間の食事処だと、どうしても周囲のペースに合わせがちになってしまいますが、部屋食であれば自分たちの会話のリズムで、温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちにゆっくり楽しめます。江戸時代から続くこの宿が、今も部屋食という個室性の高いスタイルを大切にしていることには、それだけの理由があるのだと感じました。🍽️

飛騨牛や川魚など、この土地ならではの食材が会席にどう使われているのかは、公式ページのプラン説明で確認できることが多いです。老舗だからこそ、地元の食材や仕入れ先との付き合いも長く、季節ごとの旬を熟知しているはずだと想像しています。歴史のある宿を選ぶということは、単に建物が古いというだけでなく、こうした料理への信頼も含めて選ぶということなのかもしれません。

部屋食という選択肢は、記念日のカップルだけでなく、親孝行の旅行にも向いていると思います。両親と過ごす食事の時間は、周りに気を遣わず、料理の感想をゆっくり語り合えるほうが心地よいはずです。江戸時代から続く老舗という歴史の重みと、部屋食という距離の近さが両立しているからこそ、世代を問わず安心して選べる宿なのだと感じます。会席の品数や献立の詳細までは公式情報から確認しきれていませんが、地のものを大切にする老舗の姿勢は、料理の随所に表れているはずです。

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小川屋 老舗の風格と、東海最大級100帖の畳風呂という贅沢

最後に紹介するのは小川屋です。ここまでの4軒とは少し違う魅力を持つ宿で、老舗の風格と、他にはない独自の贅沢を兼ね備えています。それが東海最大級とされる100帖空間の畳風呂です。

100帖というと、想像するだけで広さの規模が伝わってきますよね。さらに朝食は2年連続で日本一に選ばれた実績があるそうです。ここまで調べてみて、これだけの規模の畳風呂と朝食の評価が両立している宿は、下呂温泉の中でもかなり個性的な存在だと思います。建築の意匠という切り口では他の4軒より控えめですが、老舗としての風格と、湯と朝食への徹底したこだわりで勝負している宿だと感じました。

畳の上に湯船があるという発想自体、なかなか他では出会えません。板張りの浴室とは違って、畳の柔らかさが足裏に伝わる感覚は独特なはずです。朝食が2年連続で日本一に選ばれているということは、一度きりの評価ではなく、継続して高い水準を保っているということでもあります。華美な意匠を前面に出さない分、実直な積み重ねが光る宿なのだと思います。♨️

ただ、建築の意匠だけで宿を選ぶと、こうした個性的な魅力を見落としてしまうことがあります。5軒の中であえて一軒だけ違うタイプを混ぜて紹介したのも、和の設えに通じる静けさだけが旅館の価値ではないと伝えたかったからです。老舗が長年かけて磨いてきた温泉や朝食のこだわりも、記念日の満足度を大きく左右する要素だと思います。

小川屋は楽天トラベルアワードで金賞を受賞した実績もあり、宿全体の満足度の高さがうかがえます。100帖の畳風呂は、朝と夜とで違う時間帯に訪れると、また違った表情を見せてくれるはずです。朝は光が差し込む時間帯にゆったりと足を伸ばし、夜は湯気に包まれながら一日の疲れをほどく。畳の上でくつろぐ人も多いと聞きます。朝食が2年連続で日本一に選ばれているということは、品数や見た目の美しさだけでなく、地元の食材をどう活かすかという工夫が積み重ねられてきた証でもあると思います。数寄屋の意匠という切り口からは少し離れますが、湯と食に振り切った潔さも、この宿らしい魅力だと感じました。

下呂温泉小川屋の楽天トラベルページはこちらです。

記念日・ご褒美旅にふさわしい一軒を選ぶには

5軒それぞれの魅力を見てきましたが、本音を言うと「結局どれが一番いいの」と思う方も多いはずです。ここでは、目的別にどう絞り込めばいいかを整理してみます。

静けさや庭園を重視するなら、望川館と湯之島館の組み合わせが分かりやすいです。約1,100坪の日本庭園を持つ望川館と、5万坪の木立に囲まれた湯之島館は、どちらも「庭園との一体感」という物差しを強く体現しています。

二人だけの個室性を重視するなら、離れと露天風呂付客室を持つ川上屋花水亭が候補になります。記念日という一度きりの機会に、誰にも気兼ねない時間を過ごしたいという読者にはこちらが向いていると思います。

料理そのものを重視するなら、部屋食でゆっくり会席を味わえる山形屋。老舗の風格と個性的な贅沢を求めるなら、100帖の畳風呂を持つ小川屋という選び方もできます。

目的別の選び方の目安 静けさ・庭園を重視するなら望川館、湯之島館。二人だけの時間を重視するなら川上屋花水亭。食事を重視するなら山形屋。独自の贅沢を求めるなら小川屋。

graph TD

A[何を一番大切にしたい?] -->|庭園や静けさを味わいたい| B[望川館 / 湯之島館]

A -->|二人だけの時間を守りたい| C[川上屋花水亭]

A -->|会席をゆっくり味わいたい| D[山形屋]

A -->|老舗の風格と独自の贅沢がほしい| E[小川屋]

B --> F[約1,100坪の庭園と5万坪の木立]

C --> G[離れと露天風呂付客室]

D --> H[部屋食で味わう会席]

E --> I[東海最大級100帖の畳風呂]

5軒とも「数寄屋の美意識に通じる佇まい」という点では共通していますが、実際に何を優先したいかで選び方は変わってきます。この図はあくまで大まかな方向性の目安なので、最終的には気になった宿の公式ページや楽天トラベルのページで、客室タイプやプラン内容を確認してみてください。

それでも一つに絞りきれない場合は、記念日の過ごし方として何を一番大事にしたいかを自問してみてください。景色を眺める時間を優先したいなら庭園重視の宿、誰にも気を遣わず過ごしたいなら離れのある宿というふうに、一番譲れない要素から逆算すると決めやすくなります。

とはいえ、料金やプラン内容、空室状況は時期によって大きく変わります。2026年7月時点の情報をもとにこの記事を書いていますが、最終的には気になる宿の公式ページで最新のプランを比較するのが一番確実です。

もう一つ付け加えるなら、平日と休日、そして季節によって同じ宿でも見える景色や料金が大きく変わります。記念日そのものが休日と重ならない場合は、あえて平日にずらして静かな時間を選ぶという考え方もできます。庭園が美しい季節を選ぶのか、それとも記念日の当日にこだわるのか。そこも含めて、二人で相談しながら決める過程自体が、旅の楽しみの一部になるのではないでしょうか。✨

気になる宿が決まったら、楽天トラベルの個別ページで最新の空室状況を確認してみてください。

よくある質問

Q. 紹介された宿は本当に「数寄屋造り」なのですか。 A. 正直にお伝えすると、5軒とも公式に「数寄屋造り」という建築様式を名乗っているわけではありません。この記事では、庭園や離れ、木立、古格といった要素で、数寄屋造りの美意識に通じる佇まいを持つ宿として紹介しています。厳密な建築様式の判定というより、静けさや自然素材の質感を感じられるかどうかを基準にしていただければと思います。 Q. 料金の目安はどれくらいですか。 A. 2026年7月時点の情報をもとに調査していますが、料金やプラン内容は季節や部屋タイプによって変動します。断定的な金額はこの記事ではお伝えせず、楽天トラベルの各宿ページで最新の情報をご確認いただくのが確実です。たとえば湯之島館のような登録有形文化財の宿でも、平日と休日でプランの内容が変わることがあるので、比較して選ぶ楽しさもあります。 Q. 露天風呂付客室は全室にありますか。 A. 川上屋花水亭には露天風呂付客室があることを公式情報で確認できましたが、全室に備わっているかどうかまでは確認できていません。予約の際は、必ず公式ページで客室タイプごとの設備を確認することをおすすめします。 Q. 記念日以外の目的でも参考になりますか。 A. もちろんです。夫婦の休日や、自分へのご褒美旅、両親への贈り物としての宿選びにも、この記事で紹介した3つの物差し(庭園との一体感、自然素材の質感、静けさ)は同じように使えます。とくに親孝行の旅行先を探している場合は、部屋食や離れのある宿を選ぶと、両親も気兼ねなく過ごせるはずです。😊 Q. アクセスはどうなっていますか。 A. 下呂温泉は、東京方面からだと名古屋を経由し、特急ひだに乗り換えるルートが一般的です。名古屋駅から下呂駅までは特急ひだで移動でき、所要時間はダイヤ改正によって変わることがあるため、旅行の直前にJR東海の公式サイトで最新の時刻表を確認することをおすすめします。下呂駅から各宿までは送迎や徒歩、タクシーなど宿によって異なるので、予約時に公式ページで確認しておくと安心です。

まとめ

数寄屋造りという言葉の意味を知ったうえで下呂温泉の宿を眺めると、同じ和風旅館でも見え方がまったく変わってきます。5万坪の木立に囲まれた湯之島館の古格、約1,100坪の庭園と一体になる望川館の静けさ、離れと純和風の設えで二人の時間を守る川上屋花水亭、部屋食で会席をゆっくり味わえる山形屋、そして老舗の風格と100帖の畳風呂という独自の贅沢を持つ小川屋。それぞれに違う魅力があります。

正式に「数寄屋造り」を名乗っている宿はありませんでした。それでも、庭園との一体感、自然素材の質感、静けさという3つの物差しを持って眺めれば、写真だけでは見えなかった宿の個性が浮かび上がってくるはずです。見た目の華やかさよりも、木や紙や庭がつくる静けさに惹かれる人にとっては、この5軒はどれも候補になり得る宿だと思います。

この記事では記念日やご褒美旅を軸に紹介してきましたが、選び方そのものは他の目的にもそのまま使えます。両親と行く親孝行の旅行なら、部屋食でゆっくり会席を味わえる山形屋や、静けさを重視した望川館が向いていそうです。自分へのご褒美として一人旅を考えているなら、誰にも気を遣わずに過ごせる離れのある川上屋花水亭に惹かれる人も多いはずです。夫婦二人の休日として計画するなら、庭園の四季を眺めながら過ごす湯之島館や望川館もしっくりくるかもしれません。目的が変わっても、庭園との一体感、自然素材の質感、静けさという3つの物差しは、そのまま判断材料として使えます。

正直、まだどこにも泊まってはいませんが、この記事を書きながら一番気になったのは川上屋花水亭の離れでした。木のぬくもりに包まれた静かな空間で、記念日の夜をゆっくり過ごせたらと、今から想像を膨らませています。🌙

見分けるより、感じる。数寄屋の美意識に近い宿を選ぶというのは、そういう楽しみ方なのかもしれません。気になった一軒があれば、楽天トラベルで下呂温泉の宿を見比べてみてください。記念日の計画の、静かな第一歩になるはずです。✨