名古屋に住んでいると、たまに無性に温泉旅館に泊まりたくなる瞬間があります。ただ、うちはパートナーも私も車を持っていません。「温泉旅館っていうと車で行くものでしょ」というイメージが先に立って、ここ数年はなんとなく候補から外していました。ただ、正直それってちょっともったいない話だったんですよね。気になって調べてみたんですが、名古屋から電車やバスだけで行ける距離にも、駅まで迎えに来てくれる旅館が意外とたくさんあることが分かってきました。

この記事では、名古屋から30キロ圏内、つまり日帰りでも行けるくらいの距離にありながら、送迎の形がそれぞれ違う3軒の旅館を比較していきます。バスの送迎はあるけど予約が必要な宿、名古屋から直通バスとホテルのシャトルを乗り継ぐ宿、そもそも駅から近すぎて送迎の心配自体がいらない宿。同じ「送迎あり」でも中身はかなり違うので、そのあたりを実務目線で整理しました。なお、送迎の条件や料金は2026年7月時点で確認したものです。変動しやすい情報なので、予約前には必ず公式サイトや楽天トラベルで最新情報をご確認くださいね。

名古屋から旅館へ、送迎の有無をチェックすべき理由

「送迎あり」という一言だけで安心してしまうと、当日ちょっと困ることがあります。実際に口コミを読み込んでいて気づいたのですが、送迎には大きく分けて予約が必須のタイプと、当日その場で乗れるタイプがあり、さらに乗車場所も駅の改札前だったり、少し離れたバス停だったりとまちまちでした。

正直、「駅に着けばなんとなく送迎の人がいるだろう」という感覚で予約なしのまま向かってしまい、結局タクシーを使う羽目になったという声もいくつか見かけました。せっかく送迎という便利な仕組みがあるのに、条件を知らないまま損をするのはもったいないと思います。

送迎付きの旅館を予約するときは、次の3点を必ず確認しておくと安心です。予約が必要かどうか、乗車場所はどこか、そして名古屋から直接なのか、途中で乗り継ぎが発生するのかという点です。

今回比較する3軒は、名古屋から公共交通機関だけで無理なくたどり着ける、直線距離でおおよそ20キロから26キロほどのエリアに絞りました。下呂温泉や高山のように名古屋から特急一本で行ける有名な温泉地も送迎ありの宿が多く、正直かなり心惹かれたのですが、今回は「日帰りでも行ける近さ」にあえてこだわって選び直しました。近いからこそ、送迎さえうまく使えば思い立った週末にふらっと予約できるというのも、この距離感の魅力だと思います。名古屋から近い温泉地といえば岐阜の長良川だけではなく、郡上八幡なども同じく公共交通機関でアクセス可能で、郡上八幡の送迎ありの旅館という選択肢も視野に入れておくと、さらに旅の選択肢が広がります。

楽天トラベルで個別に検索すると、送迎の条件は施設ごとの「よくあるご質問」やアクセスページに書かれていることが多く、私はここを一件ずつ読み込んで確認しました。中には、以前は名古屋駅からの無料直行バスを運行していたものの、数年前にサービスが終了していた宿もあり、古い情報のまま紹介している記事も見かけたので、今回は必ず現在も有効な情報かどうかを確認したうえで選んでいます。次の章から、実際に比較した3軒を具体的に紹介していきます。

送迎バスは要予約。長良川温泉の老舗宿「十八楼」

まず紹介したいのが、岐阜市の長良川温泉にある「十八楼」です。江戸時代創業という歴史を持ち、長良川のほとりに佇む老舗旅館だと知って、まず建物の風格に惹かれました。

調べていて驚いたのが、名物の大浴場「蔵の湯」です。文字通り、歴史ある蔵を改装して作られた浴場で、木の梁や漆喰の壁を残したまま温泉が引かれているそうです。単なる「大きいお風呂」ではなく、時間をかけて手を入れてきた空間だという点に、個人的にはかなり惹かれました。露天風呂付き客室「湊」もあり、12畳の和室にツインベッドとダイニングが付いた贅沢な造りで、長良川を望む立地を活かした客室になっています。

夕食は会席料理で、長良川の鮎を使った炊き込みご飯が名物として紹介されていました。口コミを読んでいても地元食材への評判が良く、老舗ならではの丁寧な仕事が伝わってきます。

肝心の送迎ですが、乗車場所はJR岐阜駅の中央北口、じゅうろくプラザ前と案内されていました。ただ、時間の調整が必要という記載もあり、これは実質的に事前予約が前提と考えたほうが良さそうです。当日ふらっと駅に着いて「乗せてください」というわけにはいかない可能性が高いので、宿泊が決まったらできるだけ早めに送迎の希望時間を伝えておくのが安心だと思います。名古屋からはJR東海道線の快速で岐阜駅までおよそ20分、そこから送迎かバスで15分ほどというアクセスなので、乗り換えの回数自体は少なく済みそうです。

正直、蔵の湯と露天風呂付き客室の組み合わせは、記念日や特別な日の宿としてもかなり魅力的だと感じました。送迎の予約さえ済ませておけば、名古屋から電車一本と送迎だけで、老舗旅館の落ち着いた時間にたどり着けます。

直通バス+構内シャトルで行く。長島温泉「ホテル花水木」

2軒目は、三重県桑名市の長島温泉にある「ホテル花水木」です。ナガシマリゾート内にある純和風旅館で、日本庭園と四季の草花に囲まれた造りが特徴とのことでした。

送迎という観点で見ると、ここは二段階のアクセスになっているのが特徴的です。まず名古屋の名鉄バスセンターから長島温泉まで直通バスで約42分。到着後は、宿泊者専用の無料シャトルバスで各ホテルまで送ってもらえる仕組みになっています。帰りも、ホテル花水木からなばなの里を経由して桑名駅まで行く無料バスが、9時、10時、11時5分発の3便運行されているそうです。行きも帰りも公共交通機関だけで完結できるルートが用意されているのは、車を持たない身としてはかなりありがたいポイントでした。

名古屋から長島温泉までは直通バスがある一方、そこからホテルまでは構内シャトルという二段階です。予約サイトの案内だけを見ていると見落としやすいので、乗り継ぎがある前提でスケジュールを組んでおくと当日慌てずに済みます。

客室は本館が伝統的な和風、別館がより現代的な設計とのことで、最上級の「和室次の間付(石風呂タイプ)」は12.5畳の主室に6畳の次の間が付き、天然温泉を引いた石風呂が客室内にあるという贅沢さです。大浴場も日本庭園に滝を配した造りの露天風呂があり、四季を感じながら湯につかれそうです。夕食は「花水木会席膳」として、四季折々の食材を使った会席料理が提供されます。

気になって調べてみたんですが、じゃらんnetでの総合評価が4.9(口コミ1,060件)と、かなり高い水準でした。これだけの件数が集まってこの評価というのは、相当数の宿泊者が満足しているということだと思います。正直、この数字を見て一気に気になる宿リストの上位に入りました。

送迎の心配すら要らない駅近の宿。犬山温泉「臨江館」

3軒目は少し視点を変えて、送迎そのものが要らないタイプの宿を紹介します。愛知県犬山市の犬山温泉にある「臨江館」は、名鉄犬山遊園駅の西口から徒歩6分という近さです。

正直に書いておくと、調べた範囲では臨江館に送迎バスの案内は見当たりませんでした。だからといってアクセスが悪いわけではなく、むしろ逆で、送迎を待つ時間そのものが要らないくらい駅から近いというのがこの宿の強みです。予約の電話をかけて送迎時間を調整する手間も、バスの時刻表を確認する手間もいらず、電車を降りたらそのまま歩いて向かえます。

「送迎あり」を探していたはずが、調べているうちに「そもそも送迎が要らない距離」という選択肢に気づいたのは、個人的にちょっとした発見でした。荷物が少ない旅なら、こちらのほうが身軽で気楽かもしれません。

客室は全室和室で、6畳から10畳までの落ち着いた広さが用意されています。お風呂は大浴場に加えて、六方石という六角形の石を使った露天風呂があり、昭和の情緒を残しながらも清潔感があると口コミでも評判でした。夕食はベテランの板長が手がける会席料理で、季節の食材を使った献立とのことです。

楽天トラベルの口コミ評価は3.85と、十八楼や花水木と比べるとやや控えめな数字ですが、立地の良さやスタッフの対応、露天風呂の清潔さを評価する声が複数見つかりました。送迎付きの宿を軸に比較していたはずなのに、「送迎不要なほど駅から近い」という発想の転換で選択肢が広がったのは、私自身も調べていて意外でした。

送迎ありの旅館を選ぶときのチェックポイント

3軒を並べてみると、同じ「名古屋から送迎で行ける旅館」でも、中身はかなり違うことが分かります。ここで一度、比較の軸を整理しておきます。

3軒の比較表

宿名送迎の形予約要否客室の特徴向いている旅のスタイル
十八楼(長良川温泉)岐阜駅から送迎バス要予約・時間調整あり露天風呂付き客室「湊」老舗の風格を楽しみたい記念日旅
ホテル花水木(長島温泉)直通バス+構内シャトル直通バスは予約不要、シャトルは宿泊者専用石風呂付きの最上級客室庭園と会席をゆっくり楽しみたい旅
臨江館(犬山温泉)なし(駅から徒歩6分)不要全室和室・六方石の露天風呂身軽に行きたい一人旅や夫婦旅
graph TD

A[名古屋から旅館へ送迎で行きたい] --> B{車を使わずどう行きたい?}

B -->|バス送迎を予約したい| C[長良川温泉 十八楼]

B -->|直通バスとシャトルを乗り継ぎたい| D[長島温泉 ホテル花水木]

B -->|送迎の予約自体を省きたい| E[犬山温泉 臨江館]

C --> F[蔵の湯と老舗の会席]

D --> G[庭園の露天風呂と石風呂客室]

E --> H[駅近で身軽な一泊]

こうして図にしてみると、選び方はシンプルです。予約の手間を惜しまず老舗の風格を味わいたいなら十八楼、行き帰りの移動自体をひとつの旅の楽しみにしたいなら花水木、とにかく身軽にサッと行きたいなら臨江館、という軸で選べば大きく外さないと思います。気になった宿があれば、楽天トラベルで最新の空室状況もあわせて確認してみてください。

よくある質問

Q. 送迎は当日その場で申し込めますか。

A. 基本的には予約制、または宿泊者専用のシャトルという扱いになっている宿がほとんどです。十八楼は時間調整が必要と案内されており、当日いきなり駅で頼むのは避けたほうが安心です。予約の段階で送迎希望を伝えておくことをおすすめします。

Q. 送迎に人数の条件はありますか。

A. 宿や時期によって条件が変わることがあります。3軒とも詳細な人数条件までは公式情報に明記されていなかったため、予約時に直接確認するのが確実です。

Q. 車で行っても駐車場はありますか。

A. 今回紹介した3軒はいずれも観光地に立地しており、車での来館も想定された造りになっています。台数や無料かどうかは変わる可能性があるため、こちらも予約時にあわせて確認しておくと安心です。

Q. 送迎バスと路線バスは違うものですか。

A. はい、別物です。十八楼の送迎やホテル花水木の構内シャトルは宿泊者向けに用意された専用の車両で、名鉄バスセンターから長島温泉までの直通バスのような一般の路線バスとは運行主体が違います。予約サイトの案内を読むときは、どちらの話をしているのか区別して読むと混乱しにくいと思います。

Q. 料金や送迎条件の最新情報はどこで確認できますか。

A. 本記事の情報は2026年7月時点のものです。料金や送迎の条件は季節や繁忙期によって変わりやすいため、予約前には必ず楽天トラベルや各宿の公式サイトで最新情報をご確認ください。

Q. 送迎がない臨江館は、雨の日でも徒歩でつらくないですか。

A. 名鉄犬山遊園駅の西口から徒歩6分という距離なので、普通の傘であれば大きな負担にはならない範囲だと思います。ただ、大きな荷物がある場合や雨足が強い日は、駅前のタクシーを使うという選択肢も併せて考えておくと安心です。逆に送迎の予約や待ち合わせの手間がまったくいらない点は、身軽に動きたい人にとって大きな利点になります。

まとめ

車を持たない身としては、「旅館は車で行くもの」という思い込みを一度外してみると、名古屋から意外と近い場所に選択肢が広がっていることに気づきました。岐阜駅から送迎バスに乗って老舗の蔵の湯を楽しむ十八楼、名古屋からの直通バスと構内シャトルを乗り継いで庭園の露天風呂にたどり着く花水木、そもそも送迎を待つ必要すらない駅近の臨江館。同じ「送迎あり」というキーワードでも、選び方はここまで変わってきます。

正直なところ、私たちならまず花水木の石風呂付き客室が気になっています。ただ、送迎の乗り継ぎを楽しみの一部と捉えられるかどうかは人によると思うので、身軽さを優先するなら臨江館も十分魅力的な選択肢です。どちらにしても、車がないからと諦めていたのがもったいなく感じるくらい、名古屋から公共交通機関だけで行ける旅館は思っていたより多いのだと実感しました。

これから予約する方には、まず自分たちの旅のペースを思い浮かべてみることをおすすめします。到着してからゆったり過ごす時間を長く取りたいなら、送迎の予約さえ済ませておけば身体ひとつで向かえる十八楼や花水木が向いていますし、当日の予定が読みにくい、思い立ってふらっと出かけたいという旅なら、送迎の段取りを気にしなくていい臨江館のほうが気楽だと思います。どの宿を選んでも、名古屋から車なしで温泉旅館に泊まるというハードルは、思っているよりずっと低いはずです。

送迎の条件や料金は2026年7月時点の情報です。予約が必要かどうか、乗車場所はどこかという点は特に変わりやすいので、楽天トラベルや各宿の公式サイトで、予約前に必ず最新情報をご確認ください。